いつの時代も、安心・安全・便利な暮らしを支える保全エンジニア | エンジニアワークス

いつの時代も、安心・安全・便利な暮らしを支える保全エンジニア

早いもので「東京2020」開催から、もうすぐ1年が経とうとしていますね。

東京での開催が2回目の「東京2020」は、コロナ禍の影響によって“異例づくめ”の大会となりましたが、前回の東京五輪が開催された1964年の日本は高度経済成長期の真っただ中にあり、首都圏の大動脈となる首都高速や、夢の超特急と呼ばれた東海道新幹線の開通に、日本中が沸き立っていました。


その当時、五輪を見るために庶民の憧れだった高級品のカラーテレビを購入した人のなかには、ブラウン管の画面に五輪マークが映った瞬間、感動のあまり外に飛び出して思わず空を見上げた……という微笑ましいエピソードも!


こうしたエピソードからも、第1回目の大会時と第2回目の現在では、日本社会が大きく様変わりしたことがうかがえますが、五輪景気に沸いていた1960年代は、首都高速や新幹線などの交通網だけでなく、社会基盤(インフラストラクチャー : 以下インフラ)が一気呵成に整備され、ときの宰相・池田勇人が掲げた「所得倍増計画」によって、多様な産業が破竹の勢いで拡大・成長していった時代でもありました。


なかでも、1964年の日本の総人口約9718万人※のうち、約3割以上の1467万人※が第二次産業(鉱業・製造業)に従事し、そのうちの約991万人※が製造現場や工場で働いていた人とされています。※総務省統計局2015年公表値より


もちろん、総人口の9718万人には高齢者、こども、10〜20代の未就職者等が含まれますので、“991万人”の規模感は圧倒的といえますし、彼ら彼女たちの労働力が日本の国力を押し上げる原動力となったことは間違いないでしょう。


そんな飛ぶ鳥を落とす勢いの第1回目の東京五輪から58年……。メガシティTOKYOは成熟し、いまでは都市の高齢化(老朽化)が大きな問題になっているのです。

躍進し続ける東京の“いま”と“未来”を支える保全エンジニア

日本橋の橋の歩道に立って頭上を見上げるとそこには首都高速高架が架かり、六本木の交差点でも同じような光景が広がり、コンクリート製の巨大建造物が東京の空をさえぎっています。


大型トラックを含む1日10万台もの車が行き交う過酷な使用状況にさらされる首都高速では、路面・橋桁・橋脚等の大規模補修工事が計画的に進められていますが、全長約310kmのうち「50年以上(経過した路線)10.6%」「40〜49年(同)24.1%」「30〜39年(同)21.1%」「20〜29年(同)24.0%」と、全体の約6割超が完成から20年以上経過していて、進行する高齢化(老朽化)が大きな問題になっています。


高速道路やトンネル等の点検・保全業務では、近接目視のほか高精度デジタルカメラや走行型高精細画像計測システム、三次元レーザスキャナなどの専門機材を用いて、専門技術者がひび割れ、漏水、剥離(はくり)、縦断凹凸等の確認を定期的に行っていますが、首都高速の更新・修繕には膨大な時間・手間・コストを要するため、東京都では「首都高の地下化」の手始めとして、1963年の開通から半世紀以上が経過している日本橋上の高架の撤去計画を発表し、すでに2021年4月から工事が着工されています。


同計画は江戸橋ジャンクションから神田橋ジャンクションの約1.8kmの区間を指し、工事完了予定を2040年としているため完了までにはまだまだ時間がかかりますが、すべての国道の起点であり、飛躍する首都を象徴する麒麟像に覆いかぶさっていた高架が取り払われた“青空映え”する日本橋の復活を、きっと多くの人が心待ちにしていることでしょう。


そのほかにも東京はさまざまな問題を抱えています。例えば、都区部全体のオフィス・店舗の約6割(住宅は約4割)が、2030年に築40〜50年に達する木造建築物の老朽化もそのひとつです。これらの建造物が集中する「木密地域」は、災害時の火災・倒壊の危険性が高いため機能更新・高度化のインフラ整備が急がれています。


人手不足 = 売り手市場の職種でもある保全エンジニア

また、これら大規模なインフラ整備にとどまらず、令和の幕開けから加速した医療、教育、防災、こども、地域、行政・公共サービス、セキュリティ領域などで進められているデジタル化により、私たちの暮らしを安心・安全・便利にする新たなサービスが続々と誕生しています。


ここまでご紹介した大規模インフラ整備・都市再生をはじめ、デジタル新時代を迎えた日本社会に必須の技術者こそが保全エンジニアであり、社会的ニーズの高まりとともに保全エンジニアは人手不足 = 売り手市場の職種のひとつとなっています。


同時に、保全エンジニア側にとっても「景気に左右されない」「社会貢献度が高い」「専門性の高い技術力を発揮できる」「多様な分野・領域から求められている」等の魅力から、いまその存在に大きな注目が集まっているのです。



いつの世も便利で豊かな日常を支え、守る“縁の下の力持ち”

今回は、社会情勢の変化やデジタル化によって、私たちを取り巻く環境が日々進化していることに触れたうえで、社会の安心・安全・便利さの維持に努める保全エンジニアをご紹介しましたが、最後に58年前と現在の移り変わりを、いくつかの項目から比較してみましょう。


上記の項目を比較するだけでも、人口が増えるとともに平均寿命も伸び、物価が大きく異なることがわかりますね。55円のラーメンで空腹を満たし、ダイヤルを人差し指でまわす卓上用黒電話を使っていた人々は、一人1台以上の手のひらサイズの携帯電話を持ち歩く時代が訪れるとは考えてもいなかったでしょうし、モータリゼーションの発展途上にあり、マイカー所有が最上のステータスだった当時の人々にすれば、ガソリン車から電気自動車へシフトする時代がやってくるとは想像もできなかったはず。


わずか58年という時の流れのなかで、文化や暮らしが様変わりしていることを考えると、60年先の未来はどうなっているのかも気になるところ……。


もしかしたら、60年後といわずもっと早い時期に「昔は充電しないと車は動かなかったらしいよ」「電車に乗るため駅にみんな集まってたんだって」「ずっと満員電車で会社に通うのが当たり前だったみたいよ」という会話が交わされ、デジタル空間ですべてが事足りる“移動”の必要がない世の中になっているかもしれません。


いつの時代も進化する技術と足並みを合わせながら、社会や人々の暮らしを支え、守ってきた“縁の下の力持ち”的な保全エンジニアの知見、経験則、ヒューマン・スキルは、この先どんな時代がやってきても、ロボットやAIに取って代わられることはないといえるでしょう。


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